作品書評リスト

1.諜報

1-1  スパイ探し

占領ドイツ軍司令部に潜むスパイ ピエール・ノール『抵抗の街』

近代スパイ小説の草分け的作品 エリック・アンブラー『あるスパイの墓碑銘』

端倪すべからざるクリスティーの洞察力 アガサ・クリスティー『NかMか』

フレンチ警部とスパイ小説 F・W・クロフツ『列車の死』

ハードボイルド小説の巨匠の処女作 ロス・マクドナルド『暗いトンネル』

無邪気なスパイごっこが招いた悲劇 マイケル・フレイン『スパイたちの夏』

G・スマイリーというスパイ・ヒーロー ジョン・ル・カレ『死者にかかってきた電話

キム・フィルビー事件を描くジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー・スパイ』

キム・フィルビー事件を生んだ背景 マイケル・バー=ゾウハー『真冬に来たスパイ

久々の正統派イギリス・スパイ小説 チャールズ・カミング『ケンブリッジ・シックス』

自由が担保された社会を守るため ジョン・ガードナー『ベルリン二つの貌』

東欧文学とボヘミアン エゴン・ホストヴスキー『秘密諜報員アルフォンスを捜せ

部下たちの信頼度を試す ブライアン・フリーマントル 『十二の秘密指令』

1-2  スパイを捕まえる

村上春樹が絶賛したスパイ小説 ジョン・ル・カレ『スクール・ボーイ閣下』

宿敵との決着 ジョン・ル・カレ『スマイリーの仲間たち』

アラブ人になりすましたドイツ軍のスパイ ケン・フォレット『レベッカの鍵』

2.潜入―目的

2-1  情報の入手

インドを舞台とした少年スパイの冒険物語 ラドヤード・キプリング『少年キム』

アラビアのロレンスを想う ジョン・バカン『緑のマント』

江戸川乱歩が見直したスパイ小説 エリック・アンブラー『恐怖の背景』

連合軍の上陸地点をベルリンへ伝えようとしたスパイ ケン・フォレット『針の目』

ナチスの再興を期す秘密組織 アダム・ホール『不死鳥を倒せ

スパイ事件を通した若者の成長譚 ライオネル・デヴィッドスン『モルダウの黒い流れ』

年上のドイツ人女性に恋した無垢なイギリス人青年 イアン・マキューアン『イノセント』

陸軍情報部   vs   MI6 ジョン・ル・カレ『鏡の国の戦争

冷戦時代の活躍を聴聞会で語る フレデリック・フォーサイス『騙し屋』

スパイ小説と観光旅行 ヘレン・マッキネス『ヴェニスへの密使

〝赤い牝牛〟と呼ばれる猛女の活躍 シャルル・エクスブライヤ『火の玉イモジェーヌ』

落語的なおかしさ シャルル・エクスブライヤ『素晴らしき愚か娘』

理想のアメリカ人像 ドロシー・ギルマン『おばちゃまは飛び入りスパイ』

ソビエト社会主義体制を風刺した傑作 ジョージ・ミケシュ『スパイになりたかったスパイ』

西側にも東側にも属さない諜報機関 コリン・ウィルソン『黒い部屋』

2-2  計画の阻止、連れ出し

冷戦時代を語るスパイ小説の金字塔 ジョン・ル・カレ『寒い国から帰ってきたスパイ』

ベルリンの壁に阻まれた、もう一人の男 テッド・オールビュリー『偽りの亡命者』

〝スパイ小説の詩人〟と言われるゆえん レン・デイトン『ベルリンの葬送』

007シリーズの最高傑作 イアン・フレミング『007/ロシアから愛をこめて』

冒険活劇型スパイ小説が支持される理由 マイクル・アヴァロン『アンクルから来た男』

エリック・アンブラーの処女作 エリック・アンブラー『暗い国境』

普通の女の子がスパイになる スーザン・イーリア・マクニール『国王陛下の新人スパイ』

これまでのスパイ小説が描いてこなかった本質的なこと ギャビン・ライアル『スパイの誇り』

『針の目』のようにならなかった理由 ロナルド・バース『エメラルド、深く潜入せよ』

旧世界のユダヤ人とアメリカのユダヤ人 ウィリアム・H・ハラハン『亡命詩人、雨に消ゆ』

我々がスパイ小説を読む理由 ウィリアム・フッド『裏切られた亡命』

イスラム過激派の実態を描いたスパイ小説 アレックス・ベレンスン『フェイスフル・スパイ』
               

3.潜入―形態

3-1  亡命

サラリーマン社会にも通じる等身大の作品 ブライアン・フリーマントル 『消されかけた男』

処女作とは思えない完成度の高さ ブライアン・フリーマントル『別れを告げに来た男』

チェスゲームになぞらえる諜報戦 ロバート・リテル『ルウィンターの亡命』

軍人のレゾンデートル(存在理由) ロバート・リテル『迷い込んだスパイ』

高くついた持参金の代償 フレデリック・フォーサイス『売国奴の持参金』

書簡体小説のようなスパイ小説 チャールズ・マッキャリー『蜃気楼を見たスパイ』

東西ベルリン市民の切なる願い J・M・ジンメル『白い壁の越境者』

3-2  替え玉

替え玉スパイの醍醐味 フレデリック・エイヤー・Jr 『鏡の中の男』

綱渡り芸人が意味するもの デズモンド・バグリィ『タイトロープ・マン』

バリンジャーが描く〝哀しみ〟 ビル・S・バリンジャー『歪められた男』

フランス版007 ジャン・ブリュース『117号スパイ学校へ行く』

フリーマントルが別名義で書いた作品 ジャック・ウィンチェスター『スパイよさらば』

ヨーロッパ人が見ぬふりをしてきたもの ジョン・ル・カレ『リトル・ドラマー・ガール』

3-3  モグラ、スリーパー、第五列

巻き込まれ型スパイ小説の嚆矢 ジョン・バカン『三十九階段』

イデオロギーが宗教よりも勝る恐怖社会 グレアム・グリーン『恐怖省』

ナチスに潜入するソビエトのスパイ ユリアン・セミョーノフ『春の十七の瞬間(とき)』

スリーパーゆえの哀しみ R・ライト・キャンベル『すわって待っていたスパイ』

スパイとして祖国に戻って見たものは JO・ジャクソン『技師クズネツォフの過去』

複雑な利害関係 ビル・グレンジャー『スパイたちの聖餐』

スパイ小説におけるユーモアとは ロバート・リテル『スリーパーにシグナルを送れ』

〝死んだライオン〟が意味するもの ミック・ヘロン『死んだライオン』

亡命ヴェトナム社会に潜入した北ヴェトナムのスパイ ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』

無政府主義結社に潜入した秘密警察のスパイ G・K・チェスタトン『木曜日だった男』

残された家族の視点 レジナルド・ヒル『スパイの妻』

4.破壊工作・暗殺

近年、再評価されている理 ジョゼフ・コンラッド『密偵』

船上を舞台としたスパイ小説 エリック・アンブラー『恐怖の旅』

スパイ小説と鉄道 ウィストン・グレアム『夜の戦いの旅』

スパイ事件に巻き込まれた中年男の再生 アレックス・ゴードン『アラベスク』

三番目の真実 マイケル・バー=ゾウハー『過去からの狙撃者』

邦題で損をしているスパイ小説 ギイ・テセール『女テロリストを殺せ』

ソビエトに占領されたディストピア社会のイギリス ジョン・ガードナー『ゴルゴタの迷路』

スパイの生々しい息づかい エフタ・ライチャー・アティル 『潜入―モサド・エージェント』

・オバマ元米大統領が称賛したスパイ小説 ローレン・ウィルキンソン『アメリカン・スパイ』

サイバー工作を扱ったスパイ小説 フレデリック・フォーサイス『ザ・フォックス』 

5.情報操作

イギリスがアメリカ国内で行っていた秘密工作 ウィリアム・ボイド『震えるスパイ』

利用されたノストラダムスの予言 ジョン・ガードナー『裏切りのノストラダムス』

人を悪魔的所業に駆り立てるもの カート・ヴォネガット・Jr 『母なる夜』

スパイがもたらす情報の危うさ グレアム・グリーン『ハバナの男』

大義名分のための情報 ジョン・ル・カレ『パナマの仕立屋』

文学を武器にする ラーラ・ブレスコット 『あの本は読まれているか』

6.逃亡

ドンデン返しの醍醐味 マイケル・バー=ゾウハー『パンドラ抹殺文書』

内勤職員の戦い ジェームズ・グレイディ『コンドルの六日間』

地に落ちた帝国の威信 オレン・スタインハウアー『ツーリスト―沈みゆく帝国のスパイ』

愛犬家にお薦めのスパイ小説 フランシス・リック『奇妙なピストル』

スパイの秘密道具 ジェイムズ・リーサー『忘却へのパスポート』

文豪クローニンのトリック A・J・クローニン『恐怖からの逃走』

おぼろに霞む過去の真実 マイケル・オンダーチ 『戦下の淡き光

・スパイが生き延びるために必要な用心深さ K-O・ボーネマルク 『さらば、ストックホルム』

7.動機

7-1  裏切り

人は,なにゆえユダ(裏切り者)になるのか  グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』

高村 薫が嫉妬したスパイ小説 ジョン・ル・カレ『パーフェクト・スパイ』

マキャヴェリズムの挟間で犠牲にされた男 ジョン・ル・カレ『ドイツの小さな町』

ラオウル・ヴッレンベリイへの鎮魂歌 マイケル・ハートランド『裏切りへの七歩』

ホワイトホールで勤務するSAS(陸軍特殊部隊)の軍人 キャビン・ライアル『影の護衛』

KGBの跡を継いだSVRの怖さ カレン・クリーヴランド『要秘匿』

不安と混迷の時代が生んだ悪の権化 エリック・アンブラー『ディミトリオスの棺』

社会主義の理想を現実 アーナルデュル・インドリダン『湖の男』

7-2  復讐

〝憐憫〟の情が突き動かすもの グレアム・グリーン『密使』

大国に一泡吹かせようとした二人の情報将校 エリック・アンブラー『インターコムの陰謀』

これぞ英国風ユーモア ボブ・クック『マイクル・ワイマンの逆襲』

デタント時代における新たな敵役 ブライアイン・ガーフィールド『ホップスコッチ』

男の友情を描く ロス・トーマス『冷戦交換ゲーム』

落ちこぼれスパイたちのリベンジ ミック・ヘロン『窓際のスパイ』

ブレクジットで揺れ動くイギリス ジョン・ル・カ『スパイはいまも謀略の地に』

8.総合

名うての書評家が編んだアンソロジー 『世界スパイ小説傑作選』

文豪の実体験に基づいたリアルなスパイ小説 サマセット・モーム『アシェンデン』