コロナに感染して想う

 先週、コロナに感染し臥せっていた。7月27日の午後から急に寒気がしてきて、日中の暑さが残る会社から帰り路も、〝暖かい〟と感じる程だった。風邪だと思っていたので、その日の晩は、市販の風邪薬を飲んで早めに床に就いた。翌朝は気分も良く、会社でも普通に仕事をしていた。しかし、夕方から再び悪寒。帰宅したころには熱も上がって、体温計で測ると39°。晩から喉も激しく痛みだす。翌朝、妻の運転する車で近くの病院まで行って検査を受けると、コロナに感染していることが判明した。

 コロナが猛威を振るっていた1~2年前のときも、幸いコロナに感染しなかったし、街の飲み屋などでも、客たちが今までの憂さを晴らすかのように、マスクもせず密集状態で、コップ片手に大声で談笑している様を見ると、コロナは終焉したように思えていた。そうしたやさき、このタイミングで自分がコロナに感染するなど、夢にも思わなかった。

 病院で処方された薬を飲んで臥せっていたが、コロナは、これまでのインフルエンザなどとは違う辛さがある。特に症状のピークであった先週の今頃は、咳と痰で一睡もできなかった。仰向けになった途端に咳と痰が出るのだ。呼吸器系が苦しいという思いは、生まれて始めて経験した。

 あれから、ちょうど一週間経った8月5日現在、症状も回復し、今、スターバックスでこのブログを書いている。先週の今頃は咳と痰で苦しんでいたことを想うと、あらためて、健康のありがたさを実感する。我々は何気なく日常生活を送っているが、それが損なわれて初めて、そのありがたさに気づかされるのだ。

 ニュースによれば、新型コロナの全国の直近1週間の患者数が前の週と比べて1.14倍となり、「5類」に移行してから11週連続で緩やかに増加し続けているらしい。そうした事実を知っているのか知らないのか定かでないが、昨日も会社帰り、道路に面している酒場から、コロナなど、どこ吹く風とばかり、酔客の談笑が聞こえていた。そうした様子を見ると、筆者はコロナに感染したがゆえに、心配せずにはおられない。

 「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったのは寺田寅彦だが、彼は次のようなことも言っている。「モノを怖がらなさ過ぎたり、怖がり過ぎたりするのは優しいが、正当に怖がることはなかなか難しい。」