2022.1.16 インフルエンサー

 先週、二つの新聞記事に目が留まりました。

 一つは、香港の「自由」のシンボルだった蘋果日報(ひんかにっぽう)の敏腕記者へ中国政府の情報機関関係者が接触してきて、中国本土で暮らす彼の家族の身柄のことを暗にほのめかせて、「『蘋果日報』の記者たちの名前、電話番号、趣味、好きな食べ物・飲み物を教えろ」と迫ってきたという記事です。(1月13日付、産経新聞)

 もう一つは、ロンドン市内の女性弁護士が、中国共産党の統一戦線工作部と連携して、多額の献金をもとに英国の有力な下院議員らに近づき、中国共産党を支持する言動の強要や、人権問題の批判の封じ込めを謀っていると、МI5(英情報局保安部)が警告しているという記事です。(1月15日付、朝日新聞)

 新聞記者と政治家、共に自らの発する情報や言動が大衆に対して大きな影響力を持つインフルエンサーです。情報機関はそこに目を付け、自国が有利に運ぶようインフルエンサーを通じて情報操作を行おうとします。

 しかしながら、昨今の大衆、特に若者は新聞やテレビではなく、インターネットを通じて情報収集する傾向にあります。アクセス数の多いサイトや再生回数が多いYouTubeは、若者に絶大な影響力を持っています。当然ながら、情報機関もそれに気づいているはずで、今後は人気サイトの管理人やユーチューバーに対して情報機関が接触してくるかもしれません。

 本サイト「スパイ小説の世界」も、情報機関が接触してくるほど(?)、アクセス数か増えればよいのですが…。

2022.1.1 虎穴に入らずんば

明けましておめでとうございます。

2022年の干支は寅です。

寅にまつわる言葉として「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という故事があります。

虎が住むほら穴に入らなければ、その中にいる虎の子を捕獲することができないことから、身の危険を冒さなければ、大きな成果を得ることはできないという譬えに使われています。

考えてみれば、スパイという行為は、正にこの譬えそのものではないでしょうか。敵の情報を得るためは、危険な敵陣に潜入する必要があります。冷戦時代ならば、それはソビエトや東ドイツなど鉄のカーテンの向こう側へ潜入することです。万が一、発覚した場合、生きて戻って来られる保証はありません。非常に危険で、恐怖と隣り合わせの世界でスパイたちは与えられた任務を行ってきました。スパイ小説には、そんな彼らの固唾を飲むようなミッションを描いたものが、いくつかあります。本サイトの「作品書評」では、それらを〝潜入〟という分類カテゴリーで取り上げています。

寅年の初読みは、〝虎穴に入った〟スパイたちの物語から読み始めては如何でしょうか。

2021.12.19 サイトを立ち上げました。

 はじめまして、本サイトの管理人です。
 本日からスパイ小説に特化したブックガイド・サイト『スパイ小説の世界』を立ち上げました。立ち上げた背景や理由は「はじめに」で詳しく述べていますので、そちらをご覧ください。
 現時点、このサイトで取り上げている作品は、これまで読んできた海外のスパイ小説の内、スパイ小説を語るうえで外せない作品やお薦めの作品など100編ですが、今後はそれだけに留まらず、新たな作品(日本のスパイ小説も含めて)の書評も更新していく予定です。
 とかく、スパイ小説はミステリに比べて、マイナーで読者の数も限られています。スパイ小説の魅力を発信する本サイトを通じて、少しでも多くの方々にスパイ小説を読んで頂ければと思っていまので、何卒、よろしくお願い致します。