今年は1月13日に読了したエリカ・ルース・ノイバウァーの『豪華客船オリンピア号の殺人』を皮切りに、12月29日に読了した『阿刀田高のサミング・アップ』まで、計35冊の本を読んだ。
さて、今年も恒例、この一年間で読んだ本のマイベスト10を紹介する。
・10位『日本海軍 失敗の本質』 戸高一成(PHP新書)
・9位 『ゾルゲ事件 80年目の真実』名越健郎(文春新書)
・8位 『Uボート・コマンダー』 ペーター・クレーマー(ハヤカワ文庫)
・7位 『Uボート 出撃せよ』 アレクサンドル・コルガノフ(ハヤカワ文庫)
・6位 『本能寺の変 431年目の真実』 明智憲三郎(文芸社文庫)
・5位 『阿刀田高のサミング・アップ』 阿刀田高(新潮文庫)
・4位 『松本清張の女たち』 酒井順子(新潮社)
・3位 『声』 アーナデュル・インドリダソン(創元推理文庫)
・2位 『イギリス人の患者』 マイケル・オンダーチェ(創元文芸文庫)
・1位 『スパイたちの遺灰』 マシュー・リチャードソン(ハーパーBOOKS)
『日本海軍 失敗の本質』は、大和ミュージアムの館長である著者が日本海軍が敗れた敗因を各海戦ごとに解説した本。名将・山本五十六といえども判断ミスを犯したのが印象に残る。▼リヒャルト・ゾルゲに関する書物は多いが、『ゾルゲ事件 80年目の真実』は、新書ながら、これ一冊で彼についての全てが分かる本である。▼『Uボート・コマンダー』は、絶体絶命の死地から幾度も生還し、〝生命保険〟の異名をとったUボート艦長が自らの体験を描いた戦記。▼『Uボート 出撃せよ』は、イギリス海軍が誇る戦艦ロイヤル・オークを撃沈させたUボート艦長の英雄、ギュンター・プリーン海軍大尉を主人公としたドキュメンタリー小説。詳細は2025年9月7日付のブログ「潜水艦に関する本」を参照されたい。▼本能寺の変が起こった背景については諸説粉々あるが、本書はそれらを一つ一つ見ていき、明智光秀が織田信長を撃った真の理由を探ろうとする一冊。▼『阿刀田高のサミング・アップ』は、文庫版が発行された1993年6月に一度読んでいるが、今回、32年ぶりに読み返した。同じテーマをショートショートで描いた場合と短編小説にした場合、テレビドラマ化された作品と脚本、読者のエッセーをプロの作家が書いた場合等の比較が、創作に関心ある者にとっては実に興味深い。▼松本清張に関する書物も多いが、『松本清張の女たち』は、〝女〟を切り口にして紐解いている点が目新しい。▼『声』は、ミステリー小説でありかながら、一人の男の栄光、悲劇、展覧…死を描いて深みがある。▼『イギリス人の患者』は、ブッカー賞を受賞しただけでなく、歴代ブッカー賞のベスト作品にも選ばれた珠玉の一冊。静かだが、どこかミステリアスな味わいのある作品である。▼2026年の栄えあるベスト1である『スパイたちの遺灰』は、ヨーロッパを舞台とした久々のスパイ小説らしいスパイ小説。本ホームページの「作品書評リスト」でも取り挙げているので、詳細はそちらを参照されたい。