2026.1.12 無事これ名車

 今年の干支は午(うま)。馬にまつわる諺や名言は数多くあるが、筆者は菊池寛の造語といわれている「無事これ名馬」という言葉が気に入っている。

 意味は、能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬が名馬である、というもの。馬は現代の社会においては、さしずめ車であろう。菊池寛のこの言葉で譬えるなら、故障も事故もなく走る車が、即ち無事これ名車である。

 筆者が初めて手にした車は、大学2年生のときに近所の自動車販売店から19万円で購入した49年式の30系カローラのハードトップ。色はタークグリーン。大学時代と共に過ごした正に〝相棒〟といえる車だった。この車で友人たちと色々なとこへドライブをしたし、初めて女の子とキスしたのもこの車の中だった。

 二台目の車は、社会人になってしばらくしてから、同じ職場の人から購入したセリカXX。黒のボディと6気筒エンジンのロングノーズで押し出しがきいた車だった。当時の職場は、今のような残業規制もなく、連日、深夜近くまで残業していたので、職場仲間は、この車のことを「残上手当で買った車」と揶揄していたものだ。

 三代目の車は、新婚時代に乗っていたカリーナのセダン。白色のクリーンな外観で、クセもなく万人受けのする車だった。

 子供が生まれると、もう少し荷室の大きな車が欲しくなり、当時、ステーション・ワゴンがブームだったこともあり、カルディナを四代目の車として購入した。色は看板カラーのダークフォレストトーニング(ボディの上部がダークグリーンで、下部がグレーのツートンカラー)。この車には10年近く乗った。

 五代目は、東京の単身赴任生活から戻ってきた2001年に購入したヴォクシー。色はシルバー。スライドドアと三列シートの有難みを経験すると、ファミリーで乗る場合は、もうこれなしでは考えられない。この車は2025年まで、実に20年以上も乗った。

 そして、六代目は2025.11.3付のブログで紹介しているホンダ・フリード。色はシーベッドブルー。綺麗な色だが、夜間は見えにくいので、シルバーにしておけば良かったかなと、思わないでもない。何もなければ、おそらく、否、間違いなくこの車が筆者の人生の最後の車になるだろう。

 これまで乗ってきた、どの車も大きな故障や事故(多少のトラブルはあったが)がなかったので、冒頭の譬えでいうなら、いずれも筆者にとって名車である。人生最後の車となるであろうフリードも名車であってほしい。